当社のものづくり哲学は「長い年月に培われた天然の素材を有効に生かすため、素材を殺すことなく、シンプルで美しいデザインを心がける」ことです。
大事な自然のものだから、美しいデザイン、耐久性のある製品をつくる。その役割は自然の近くにいる「我々の役目」として、あくまでも銘木にこだわらず、 地元で採れるスギ、ヒノキ、カシ等にこだわり、小さな端材や間伐材をも素材として大事に活用しています。
スギには節があり、年数と共に呼吸によるたわみ等の狂いが生じるため、家具素材には不向きと言われているスギや間伐材を美しく、実用性、 耐久性を備えた作品に仕上げるには、美的センスと素材を知り尽くした経験がなせる技です。
また、当社の強みは、グッドデザイン賞など全国区の顕彰を受賞することに裏付けられた確かなデザイン力、技術力を有し、加えて、 本物の価値を伝える提案を発信しているところにあります。
自然素材を殺さないデザイン姿勢。間伐材、端材を大切にし、新たな素材へと再生する集成加工技術。 自然豊かなロケーションで自然と共に暮らすライフスタイルを的確に発信する提案力。 この背景には、当社の「自然へのこだわり」を貫く、強いメッセージをこめております。
そうしたこだわりを持ち続け、貫いていく当社の姿勢が「本物」を提供する側と求める側との間にコミュニケーションを生みだし、エコロジーへの関心の高まり、
「モノ」に対する価値の見直しによって、本物志向のユーザーが当社の製品に関心を持ち、また支持を頂いている理由だと感じております。
これは多品種少量生産、ハンドメイド、ユーザーのためのものづくりといった大企業にはできない中小製造業の活路を示唆するものであり、
また「環境対策」は一貫した地道な取り組みが重要であり、単に企業イメージの向上として扱ってはならないということを表しているのではないのでしょうか。
綾町は自然との共生をめざす町──。「綾の杜」発のアトリエ・グローバル社は、今後も自然と共に歩み、確かなメッセージを発信しながら、 "ステップバイステップ" 少しずつ進化し続けます。
プロフィール
川野 幸三
アトリエ・グローバル & 匠塾・グローバル・ヴィレッヂ えびの
1940年宮崎生まれ。
1963年、法政大学建築学科 (大江宏ゼミ) 卒業。
日総建、東急建設などに勤務。
1970年、英国, フィンランドに留学。
1972年、知人と東京でアトリエ・GA・TOKYO 設立。
1973年、宮崎市内でアトリエ・グローバル設立。
1977年、全日本中小企業見本市通商産業大臣賞 (ユニット家具)。
1981年、同内閣総理大臣賞 (木の器シリーズ)。
1995年、アトリエを現在の綾町に移す。
1998年、曲げ集成材の製造設備を導入し、合理化住宅の開発に取り組む。
1999年、グッドデザイン賞に建築が受賞。
2022年、卓越した技能者「現代の名工」を受賞。